ビジネス売買価格にも表れている、コロナウイルスの意外な影響。そして考察。
こんにちは。 RIO淵江です。
今日は私がいまバイヤー(買主)側としてコンサルティングを手がけているM&Aの話を少し。
まず結論からお伝えすると、
売買価格が$355000(約3800万円) → $245000(約2621万円) と
約1180万円もプライスダウンをして交渉合意に至ることができました!
先方のセラー(売主)にとっては約30%以上も価格を下げたことになります。
ビジネスの詳細をここでお伝えすることが機密保持契約上できないのですが、オアフ島ワイキキを拠点とする素晴らしいビジネスです。
「提示価格よりも安く買えました!」はバイヤー側としては喜ばしいことなのですが、M&Aを含む事業継承は、絶対にWIN-WINの関係がいいと僕は信じています。
価格が下がった理由。
それはもちろん、お互いがお互いを理解しようとし続けたコミュニケーションが大前提にあります。
そこにプラスして、今回は「コロナウイルス」が意外な形で影響を与えました。
ご存知の通り、コロナウイルス→ロックダウン となり、ハワイを含むアメリカのビジネスも日本と比較して、いやロックダウンが非常に厳しいのでそれ以上に影響を受けています。
「ビジネスを売りたい」と考えていた人は、もちろんその影響を考えると「もっと安くしてもいいから早く売って、この悪影響を可能な限り被りたくない・・・」と考えます。日本からの、いや世界中からの観光客が来なくなり、ローカルも完全にロックダウンで、売り上げの見通しなんか立つわけもなく。超不安です。
この影響で、売り手側は「安く売りたい」という理由ができた。
逆に買い手側にとっては「提示金額を低めに交渉できる」というチャンスができた。
これこそが、今回の件に関するWIN-WINな状態です。
どんな状況であっても、僕たちはこのWIN-WINが最適化する状態を探り続けています。情報も、肌感覚も、相手の感情やこちらの感情の動きにも最大限のアンテナを張り続けて。
覚えておきたい「売り出し理由」
ちなみに、僕はいつもおすすめするのですが、
「ビジネス売買の際には、リタイアメント(引退)が先方の売り出し理由であること」
はとてつもない価値を持ちます。これはぜひ覚えておいて。
例えば、今回のケースも売主の売り出し理由は「現役を退いてゆっくりと生活したい」でした。
もしこれが「事業規模を小さくしないと存続できないから売り出したい」だったらどうでしょうか。
売主は、現地の人間。現地の人間が現地で頑張っているのに、存続が難しいビジネスを、あなたが引き継いだところでうまく継承できるでしょうか。僕にはその判断は出来ません。垂れ流してもいいという膨大な時間とお金がなければ、現地人でも難しかったビジネスをV字回復されるなんて、ほぼ100%不可能です。(これは日本国内における事業継承にも高い確率で当てはまると思っているので、絶対に忘れないで下さい。僕なりに時間とお金をかけて見つけ出したとても大事なルールのひとつです。)
さらにここからコロナ禍の影響を受け、事業は大きなダメージを被り、リカバリー不可能な状態にまで傷つく可能性があります。
「リタイアメント」が理由の場合、一番の注目すべき点は売主側に何らかの余裕がある可能性が非常に高く存在します。
それは場合によってはお金だったり、場合によっては交渉できる時間や期限かもしれませんが、やっぱり「余裕」が相手にあると、余裕を持ってこちらも交渉に当たることが可能になります。
いま、価格が圧倒的に下がっている。これはチャンスか!?
話を少し戻します。
そうなのです。いま、ビジネス売買価格が圧倒的に下がっています。そりゃあそうですよ、いつになったら観光客が元の規模で戻ってくるのかわからないのに、そもそもまだ飛行機すらまともに飛んでいないのに。そしてこの状態がいつまで続くかわからないのに。
売り手は、こう思っています。
「こんなに頑張って育ててきたビジネスが、コロナ禍であっと言う間に価値を下げている。いつまで続くかわからない状況も、そこに拍車をかけている。もっと価格が下がる前に、売り抜けてしまいたい・・・」
株やFXの損切りと同じ状況が、M&Aの世界にも発生しています。
これをチャンスと捉えるかどうかはあなた次第ですが、今回のケースは非常によい意味で、買い手にとっても売り手にとっても素晴らしいチャンスになりました。
こういう素晴らしいチャンスを作るお手伝いができることに、幸せを感じています。
ピンチの時にも、いつもチャンスは転がっています。
僕はそう信じて、今日もみなさんのサポートをしていきたいと心から思っています。
それではまた!
ALOHA、ALOHA、ALOHA !!!
RIO 淵江